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SETI@home クライアントソフトのインストール

(コマンドライン編)

ここでは、i386 を搭載した Windows NT 用のクライアントソフトウェアのインストール手順を紹介します。Windows NT でも、スクリーンセーバー版を使用することは可能ですが、より効率的な解析を行いたいと考えた場合、コマンドライン版を使用することは有効な解決策の一つです。それは、コマンドライン版はグラフィックス描画などの余分な処理がなく、計算だけを集中して行うことが出来るからです。

なお、このコマンドライン版は Windows NT 用となっていますが、Windows 2000 はもちろん、Windows 98 シリーズでも動作します。より効率的な解析を目指して、以下の手順に従ってインストールをやってみましょう。

  1. SETI@Home 公式ページにあるクライアントソフトのダウンロードページから "i386-winnt-cmdline.exe" を探してファイルをダウンロードします。1-2-3-4 と数字が書かれていますが、どれも同じ物ですので好きなところからダウンロードをしてください。
     ダウンロードされたファイルは圧縮ファイルではなく実行形式の解析ソフトのそのものです。Version 3.0 クライアントであれば "setiathome-3.0.i386-winnt-cmdline.exe" という名前になっているはずです。長くて不便だと思ったら、名前を変えてしまってもてかまいません。この説明では、"setiathome.exe" という名前にリネームした場合を想定して解説します。

  2. 解析作業用を行うためのフォルダを作成します。例えば、ここでは D ドライブのルートに seti という名前のフォルダを作ります。つくったら、1. でダウンロードした解析ソフトそのフォルダに移動します。移動したら、「コマンドプロンプト」 を開き、作成した作業ディレクトリに移動します。移動は、

    C:\winnt> D:\
    D:\>CD seti
    

    とします。移動をしたら、解析ソフトを起動してください。なお 引数として、適当な文字、例えば 「help」 などを入れると起動オプション一覧が表示されます。

    例えば、こんな感じです。

    D:\seti> setiathome.exe help
    bad arg: help
    options:
            -version                show version info
            -login                  log in
            -countries              show list of country codes
            -proxy hostname:port    connect to SH server through specified
                                       proxy server
            -stop_after_process     stop after current WU - do NOT send result
            -stop_after_xfer        stop after current WU - DO send result
            -verbose                print running status
            -nolock                 skip multiple-instance check
            -socks_server hostname:port     SOCKS proxy
            -socks_user name        SOCKS user name
            -socks_passwd passwd    SOCKS password
            -cpu N                  set client to run on CPU N
    

    わからない人は、無視してしまってかまいません。

     

  3. さて、特に引数を入れないで普通に起動をすると、次のようなメッセージが表示されます。

    D:\seti> setiathome.exe
    Welcome to SETI@home.
    We use your email address to identify you.
    Please type:
        1 to set up a new account (first-time users);
        2 to log into an existing account (returning users).
    Your choice (1 or 2):
    

    これは、初めて SETI@home プロジェクトに参加する人は、1番を、既にアカウントを持っていてそのアカウントで起動をする場合は2番を選択し、入力してください、という意味です。

    この文書を読んでいる人は、おそらく初めての人でしょうから 1 を選択します。1 を選択するとアカウント情報の入力を行います。 もし、スクリーンセーバー版などを使用していてすでにアカウントを持っている人は、2 を選んでください。

    1 を選ぶと、質問が次々流れてきますので、それに答えていってください。訊かれるのは、アカウントとして使用する有効なメールアドレス、それの公開の可否、そして名前、その公開の可否、そして、国番号、郵便番号、利用している場所です。国番号は、日本でしたら 106 です。使用している場所は、家か、学校か職場か、そのほかか選ぶわけですが、統計として使用されるので正直に答えてください。

    D:\seti>setiathome.exe
    Welcome to SETI@home.
    We use your email address to identify you.
    Please type:
        1 to set up a new account (first-time users);
        2 to log into an existing account (returning users).
    Your choice (1 or 2): 1
    
    Your email address: kyokoh@un-nerv.ne.jp
    OK to show your email address on the SETI@home web site? (y/n): y
    Your name or nickname: Nees
    OK to show your name on the SETI@home web site? (y/n): y
    Your country number (Return see country list): 106
    Your postal code: 274-0072
    Computer location: 0=unspecified 1=school 2=work 3=home :2
    
    
    Here's your account info:
    Email address: kyokoh@un-nerv.ne.jp
    OK to show email address? yes
    Name: Nees
    OK to show name? yes
    Country: Japan
    Postal code: 274-0072
    Computer location: work
    
    Everything correct? (y/n)
    

    全て入力し終わると、登録内容が一覧として表示されますので、正しければ y を入力してください。インターネットを経由して SETI@Home プロジェクトのサーバーへ登録と接続処理が行われ、work unit と呼ばれる、解析するデータを取得してきます。ダウンロードしてきている量が次々表示されます。回線状態によって時間は異なりますが、だいたい 400kbyte 近い大きさがあります。

    2 を選ぶと、既存アカウントとして登録されているメールアドレスを訊ねられます。

    D:\seti>setiathome.exe
    Welcome to SETI@home.
    We use your email address to identify you.
    Please type:
        1 to set up a new account (first-time users);
        2 to log into an existing account (returning users).
    Your choice (1 or 2): 2
    Email address: kyokoh@un-nerv.ne.jp
    

    入力後すぐにサーバと接続を開始して処理がはじまります。

  4. データの取得が終了し、解析が始まると次のような文章が末尾に表示されて、動きが停止します。

    Found data file: yes. Found result header file: no.
    Beginning analysis...
            (This is the last message displayed while the client works.
            To see progress messages between now and completion of
            processing, operate the client with the -verbose option.
            You can also see the progress of the client by looking at
            the 'prog=' line in the state.sah file.
    

    この画面は、現在解析を行っているけれど、画面上には何もその様子は出ないよ、ということを知らせています。つまり、画面上には何も変化がありませんが、プログラムはしっかりと計算を行っているのでそのまま放置しておけばよいわけです。不安でしたら、タスクバーをクリックしてタスクマネージャを起動し、SETI@Home のクライアントソフトが CPU リソースをたくさん消費していることを見てみるといいでしょう。

    これで、無事に計算が始まりました。

なお、いつもクライアントソフトを起動したままで計算をさせているとコンピュータが重くなるのではないかという心配をお持ちですか? 安心してください。Windows NT オペレーティングシステムにおいて、seti@home のクライアントは、優先度「低」 で起動されています。したがって、seti@home クライアントソフトウェアが起動していることはあなたがメールやインターネットウェブサイトを閲覧したり、ワープロソフトを起動して作業をするのに影響を与えません。あなたが、ほんのちょっと手を休めたり、コーヒーを取りに席を立った瞬間、パソコンが労働から開放されたその瞬間、パソコンにやることがなくなると、優先度 「低」 の seti@home に CPU が割り振られて、計算をします。もちろん、あなたが作業を再開すれば CPU はすぐに、あなたの作業へと労力を提供します。つまり、CPU の資源のまさに隙間を利用して、有効的に計算を行うのです。

この計算処理を止める場合は、普通のアプリケーションと同じように右上の [×] ボタンを押して終了するか、[Ctrl] + [C] を押してください。システムをシャットダウンする前などにも、特に終了させる必要などはありません。

毎回、コマンドラインから呼び出すのが面倒であれば、setiathome.exe をドラッグしてスタートアップフォルダにショートカットを作成してしまいましょう。そうすると、あなたがログオンするときに自動的に呼び出され、計算をはじめてくれます。ログオンしないと計算は行われませんが、ワークステーションをロックしていても計算は行われます。オフィスや自宅を出るときには、ログオンしたまま、ワークステーションのロックを利用して計算をさせると、セキュリティーの面からも安心です。

なお、ログオンしなくても計算を行わせたり、タスクバーに表示させたくないなどの場合は、SETI@Home のソフトを Windows のサービスとして登録してしまう方法があります。その方法は、こちらにまとめてありますので、興味のある人は参照してみてください。


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